臨床
工学士
Concept
現在、臨床工学部には、6名の臨床工学技士が在籍しています。当院では血液浄化療法を中心業務にバスキュラーアクセス管理(シャント評価、VAIVT介助)、アフェレーシス療法、透析液の水質管理などを行っています。その他の業務として、ペースメーカー管理、NPPV管理、医療機器管理、在宅血液透析管理および日々、高度医療機器を用いた治療が安全に行えるよう管理を行い、これらの手技と機器管理を介して、血液透析患者の計測・診断・治療の診療に貢献しています。
また、透析医療の根幹をなす部門として責任がはたせるよう、学術研究も業務の柱としており、主要学会での情報発信に注力しています。
●血液浄化業務
当院では約200人の透析患者さんの血液浄化業務に関わっています。
血液浄化業務では透析治療の準備から穿刺・回収をはじめとした臨床業務の他、透析効率の算出や体組成測定、エコーを用いたバスキュラーアクセス評価なども積極的に行い適正透析条件設定の補助を行っております。
これらのデータを基に医師や透析スタッフと患者情報を共有し、カンファレンス等を行うことにより、透析条件の検討やシャントトラブルへの早期対応が実践されております。
透析関連機器全般(多人数用透析液供給装置2台、A剤溶解装置2台、B剤溶解装置2台、逆浸透水精製装置2台、透析用患者監視装置60台(GC-110N、GC-300N)の操作、日々の透析用水・透析液の水質確認、透析液の作成および調整といった透析液安全管理責任も担っています。
透析液へのこだわり
透析液にエンドトキシン(細菌毒)が微量でも存在すると、透析患者の血液中に入ることにより、様々な合併症の原因になります。合併症は患者の QOL(日常生活の質)の低下と生命の危険をもたらします。当院では厳重な管理により、透析患者さんにとって“命の水”ともいえる透析液の完全無菌化を実現しています。
また、当院では、通常の血液透析以外に様々な特殊血液浄化治療も行っております。
白血球吸着除去療法(LCAP)、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、血漿交換(PE)、潰瘍性大腸炎等における白血球吸着除去療法(LCAP)(GCAP)等の様々な血液浄化療法を臨床工学技士中心で行っており随時施行可能です。医師と相談し、最適な血液浄化治療を患者さまに提供できるよう心がけております。
末端監視装置
・GC-110N:30台 ・GC-300N:30台
透析室での取り組み
医師・看護師、臨床工学技士で連携し、透析患者さんのQOL(生活の質(Quality of life))向上に努めております。 血液浄化業務では透析治療の準備から穿刺・回収をはじめとした臨床業務のほか、透析効率の算出やシャントスコアを用いたシャント評価なども積極的に行っており、医師や透析スタッフと患者情報を共有し、カンファレンス等を行うことにより、透析条件の検討やシャントトラブルへの早期対応が実践されております。
透析関連機器全般(水処理装置、透析液供給装置、患者監視装置等)の操作、洗浄、水質管理、定期メンテナンス等の保守・管理業務を行っています。医師、看護師と協力して治療中はもちろん、治療の前後も含めて患者様が安心して透析を受けられる環境を提供出来る様に努めています。
エコー穿刺、バスキュラーアクセス管理
透析治療において、穿刺は必要不可欠ですが、患者さんにとって大きなストレスでもあります。当院では穿刺が困難な場合、臨床工学技士によるエコー(超音波診断装置)を用いた穿刺を実施しています。
また、必要時にはシャント血流量測定や狭窄の程度を測定しシャント評価と管理を実施しています。当院は3種類のポートブルエコーを有し、状況に応じ使い分けを行っています。
呼吸治療業務
睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された患者さんに陽圧換気療法を行うようになり、睡眠時、マスクを装着していただきます。臨床工学課では様々な検討を行い、設定圧の検討や導入時の使用時間など患者さんと意見を交わしながら行っています。それにより、患者さんが自宅でも継続的に使用できるよう努めています。
また、外来通院になられてからも、診察時にデータ解析を行い、患者さんから直接状態をお聞きしています。それにより、医師と連携がとれ、早急な対応ができています。
透析液及び水質清浄化の取り組み
原水(水道水及び井水)が水道法により定められている各種水質基準を満たしているかを確認しています。 RO水及び透析液については、日本透析医学会・日本臨床工学技士会により定められている透析液生物学的管理基準の値を満たしおり、全ての透析監視装置において超純水透析液の水質(生菌数・エンドトキシン値は全て検出感度未満)を保っています。
微生物学的水質検査測定
月に1回水質検査測定を行っております
1.エンドトキシン測定
2.水中微生物(細菌)の評価
細菌数評価方法 : メンブレンフィルター法
ME機器管理業務
全体で多人数用透析液供給装置2台、A剤溶解装置2台、B剤溶解装置2台、逆浸透水精製装置2台、透析用患者監視装置60台(GC-110N、GC-300N)を有しています。 これらの透析関連機器が日々正常に動作し、安全な透析医療を患者様に提供できるよう、保守管理に努めています。
植込みデバイス管理業務
当院ではペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)のフォローアップを行っています。血液透析中や外来診察室に設定値や閾値、感度のチェックを行い、総合病院と連携し不整脈の有無等を確認しております。
NPPV業務
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に用いられる陽圧換気療法(NPPV)への診療補助としては呼吸状態データ解析を基に患者さんと意見を交わしながら臨床工学技士が使用機器選定検討、設定圧設定補助を行っています。
臨床工学部スタッフ紹介
臨床工学部 部長
長岡 高広
透析技術認定士
血液浄化専門臨床工学技士
認定血液浄化臨床工学技士
●所属学会
- 日本臨床工学技士会
- 鳥取県臨床工学技士会
- 日本透析医学会
- 日本HDF研究会
●主な受賞歴
- 2011年
日本臨床工学技士会学会賞「第6回JACET AJINOMOTO Award」受賞
受賞論文「生体電気インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis)から得た透析患者の身体所見」 - 2013年
日本臨床工学技士会学会賞「第8回JACET AJINOMOTO Award」受賞
受賞論文「血液透析患者におけるCardio-ankle vascular index(CAVI)の有用性とMBD関連因子の影響」 - 2016年
日本臨床工学技士会学会賞「第11回JACE YOSHINDO Award」受賞
受賞論文「血液透析患者における12誘導心電図計より得たQTc間隔の臨床応用」 - 2017年
第64回山陰透析懇話会 コメディカル部門 最優秀賞受賞
●その他論文
- 2012年
「血液透析患者におけるCardio-ankle vascular index(CAVI)とCKD-MBDパラメータに関する比較検討」 Nephrology Frontier 12巻 - 2013年
「維持血液透析患者の腎性貧血におけるCERAからEPO-κへの切り替えに関する検討」 新薬と臨床 62巻 6号 - 2019年
「当院におけるエテルカルセチドの使用経験」
PROGRESS IN MEDICINE 39巻5号
●講演等実績
2017(H29)年
3月 第64回山陰透析懇話会 コメディカル部門 最優秀賞受賞
3月 中四国MEフォーラム 講演講師
4月 第33日本医工学治療学会 イブニングセミナー講演講師
4月 鳥取透析カンファレンス 口演発表
4月 第44回日本血液浄化技術学会 BPA発表
5月 鳥取モニタリングセミナー 座長
6月 第62回日本透析医学会 口演発表
7月 臨床工学技士連携の会 講演講師
7月 広島透析セミナー 講演講師
10月 鳥取県臨床工学技士会血液浄化セミナー 座長
11月 中腎研 一般演題発表
他6講演
2018(H30)年
2月 第34回日本医工学治療学会 ランチョンセミナー 講演講師
2月 中四国MEフォーラム 講演講師
3月 第34日本医工学治療学会 イブニングセミナー講演講師
4月 第45回日本血液浄化技術学会 English Session oral presentation
6月 第63回日本透析医学会 ポスター部門座長
6月 第63回日本透析医学会 ポスター部門発表
9月 鳥取東部地区透析学術講演会 講演講師
10月 鳥取中部学術講演会 講演講師
11月 Calcimimetics発売記念講演会 講演講師
12月 メディカルナビ WEBライブセミナー 講演講師
他4講演
2019(H31・R1)年
2月 大分代謝セミナー 講師
4月 第46回日本血液浄化技術学会 English Session oral presentation
4月 第46回日本血液浄化技術学会 BPA発表
5月 第29回日本臨床工学技士会 ランチョンセミナー 講演講師
6月 第64回日本透析医学会 ランチョンセミナー 講演講師
7月 臨床工学技士連携の会 講演講師
8月 鳥取東部地区透析学術講演会 講演講師
8月 松江地区透析学術講演会 講演講師
9月 第9回中四国臨床工学技士会 ランチョンセミナー 講演講師
10月 第25回日本HDF研究会 ワークショップ 講演講師
11月 鹿児島HDFセミナー 講演講師
12月 第52回九州人工透析研究会総会 スイーツセミナー 講演講師
他4講演
2020(R2)年
10月 リクセルWEB講演会 座長
12月 Calcimimetics WEBセミナー 講演講師
他3講演
2022(R4)年
7月 第67回日本透析医学会 ポスター座長・一般口演発表
10月 第28回日本血液濾過学会 ランチョンセミナー講師
12月 第49回千葉県透析研究会 共催セミナー講師
12月 第31回中国腎不全研究会 ポスター賞受賞
2023(R5)年
4月 第49回日本血液浄化研究会 共催セミナー座長
5月 第39回日本医工学治療学会 ポスター発表
6月 第68回日本透析医学会 一般口演座長
7月 第33回日本臨床工学会 ランチョンセミナー講師
副技士長
宮田 俊哉
透析技術認定士
技士長
中村 慎也
透析技術認定士
副技師長
南條 友典
透析技術認定士
鳥取県糖尿病療養指導士
●所属学会
- 日本臨床工学技士会
- 鳥取県臨床工学技士会
- 日本糖尿病協会
●学会実績
- 2015年
第60回 日本透析医学会学術集会・総会 口演
第21回 日本HDF研究会学術集会・総会 口演
第24回 中国腎不全研究会 ポスター - 2016年
第61回 日本析医学会学術集会・総会 口演
第22回 HDF研究会学術集会・総会 ポスター
第25回 中国腎不全研究会 ポスター - 2017年
第32回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 口演
第44回 日本血液浄化技術学会 口演
第62回 日本透析医学会学術集会・総会 口演
第23回 日本HDF研究会学術集会・総会 口演
第26回 中国腎不全研究会 ポスター - 2018年
第33回 ハイパフォーマンス・メンブレン研究会 口演
第45回 日本血液浄化技術学会 口演
第63回 日本透析医学会学術集会・総会 口演
第24回 日本HDF研究会学術集会・総会 口演
第27回 中国腎不全研究会 ポスター - 2019年
第46回 日本血液浄化技術学会 口演
第64回 日本透析医学会学術集会・総会 口演 - 2022年
第31回 中国腎不全研究会 ポスター - 2023年
第70回 山陰透析懇話会 最優秀演題賞 コメディカル部門
第68回 日本透析医学会学術集会・総会 口演 - 2024年
第71回 山陰透析懇話会 最優秀演題賞 コメディカル部門
田中 美香
●学会実績
- 2015年
第42回 日本血液浄化技術学会学術大会・総会 口演
第24回 中国腎不全研究会 ポスター
鈴木 美奈
湊 智博
●所属学会
- 日本臨床工学技士会
- 鳥取県臨床工学技士会
●学会実績
- 2021年
第30回 中国腎不全研究会学術集会 ポスター - 2022年
第67回 日本透析医学会学術集会・総会 口演
第31回 中国腎不全研究会学術集会 ポスター - 2023年
第68回 日本透析医学会学術集会・総会 口演
副主任
淺見 りか
透析技術認定士
消化器内視鏡技師
石原 淳大